アジアデング熱会議
デング熱は蚊が媒介する感染症です。1950年代から世界的に問題となっており、世界の人口の約半分に感染のリスクがあります。
デング熱は熱帯・亜熱帯地域にみられ、150ヵ国以上で症例が報告されています。初期には非特異的な発熱性症候群の症状を示すため、早期診断の遅れにつながることもあります。感染したからといって必ずしも発症に至るわけではありませんが、中には生命を脅かす出血熱やデングショック症候群に進行する患者さんもいます。今日では、入院や死亡につながるデング熱関連合併症の管理が大きな課題となっています。
こうした事態を受け、マレーシア保健省の支援を得て、マレーシア感染症化学療法学会(MSIDC)、熱帯感染症研究教育センター(TIDREC)、Aesculap Academy, Malaysia、アルボウイルス文献・研究に関するWHO研究協力センター(WHOCC)が、この地域においてデング熱の脅威に立ち向かう上での課題、診断、治療、ベストプラクティスに関する諸問題に対処するための枠組み作りに乗り出しています。
その学術委員会は国際的なASEANや国内の講演者合わせて20名以上の専門知識を活用し、総会7回、同時シンポジウム11回を数える包括的なプログラムを作成しました。取り上げたテーマを以下に記載します。
• 重症デング熱の臨床予測因子
• デング熱ワクチン接種:アジアにおける現況
• デング熱サーベイランス&コントロールのための革新的な戦略と手段
• デング熱を検出する手段
• ウイルス親和性と発生機序
• デング熱感染の病態生理の最新情報
• デング熱の罹患率・死亡率を下げるための課題と戦略
• 重症デング熱のモニタリング、デング熱の臨床検査診断の進歩、デング熱の体液管理、媒介動物防除のベストプラクティス、特別な集団におけるデング熱その他に関するASEAN諸国の経験の共有