清潔な手が命を救う
手指衛生は最も重要な感染予防策のひとつであり、世界規模で取り組むべき大きな課題でもあります。
もうすぐ10月15日、新たな国際デーがやってきます。それは、世界手洗いの日。 2008年にWHOが「SAVE LIVES: Clean Your Hands」キャンペーンの一環として提唱しました。 でも、手洗いは本当に国際デーが必要になるほど大きな問題なのでしょうか? 答えはイエスです。 その理由をここで説明しましょう。
基本的には、手指の洗浄や消毒は簡単なことです。 診療所や医療現場でも、職員の手が病原体の感染経路であることはよく知られています。 だからこそ手指衛生は医療関連感染予防策として非常に重要なのです。 下の図では基本の手順を紹介しています。
知ってはいても、日々の生活で実践できるかと言えば、そういうわけでもありません。 WHOの情報によれば、医療・看護職員の61%が規定通り手洗いを行っていないとされています。 さらに、職員が重大な場面で適時、規定の手順に従って手洗いを実行すれば、いわゆる医療関連感染の大半が予防できると言われています。 ジュネーブ大学病院の感染対策プログラムの責任者で、WHO First Global Patient Safety Challenge: Clean Care is Safer Care(清潔なケアは安全なケア)の外部理事でもある同大学医学部 Didier Pittet教授は、TEDx-Talkの中で、毎年500万~800万人の命を救える計算になる、と説明しています。
B. Braunは、WHOのPrivate Organization for Patient Safety(POPS)創設に参加しています。 目標は、WHOの「Clean Care is Safer Care」プログラムに基づいて手指衛生を改善し、医療関連感染を減らすことです。 B. Braunは、Hand Hygiene Excellence Award(手指衛生優秀賞)を設けるなど、手指衛生の重要性に対して世界的な関心を高める取組みを行っています。