皮膚の機能
皮膚は、人体最大の器官です。 2㎡ に相当する体表面をカバーし、その重さは、最大10kgにもなります。 皮膚は、体内の恒常性を維持しながら、外部環境に対する保護バリアとして働きます。
社会的重要性: 人の外見を作り、個人の識別を可能にします
感 覚: 痛みや接触、圧力および温度に敏感に反応します
体 温 調 節: 血管の拡張と収縮、および発汗による体温調節を行います
皮膚の解剖学
皮膚は、皮下脂肪(皮下組織)と呼ばれる脂肪層を覆う、表皮と真皮の主要な2つの層から成り立っています。 表皮と真皮は、それぞれが複数の層で構成されており、表皮が真皮につながる領域を、表皮真皮接合部と呼びます。 ここで、血管を持つ真皮と、血管を持たない表皮とが、酸素、栄養素および老廃物の交換を行っています。
表皮
表皮は、主にケラチノサイト(角化細胞)という細胞からなり、「基底層(きていそう)」、「有棘層(ゆうきょくそう)」、「顆粒層(かりゅうそう)」、「角層(かくそう)」という複数の層構造になっています。その厚さは、わずか0.03〜0.05ミリメートルしかありません。 このケラチノサイトが分裂すると、最も内部にある基底層から、より表面の層に移動し、一番外側の角質層に到達すると、外部へ放出されます。 例えば、入浴時に垢が発生しますが、これは、角質層に達したケラチノサイトが垢となって剝がれ落ちたということです。 この代謝のプロセスは、ターンオーバーと呼ばれ、約2ヶ月をかけて、皮膚は再生を繰り返しているのです。
真皮
薄い表皮と比較すると、真皮は、細胞成分および無細胞成分が織りなす複雑なネットワークだと言えるでしょう。 「乳頭層(にゅうとうそう)」および「網状層(もうじょうそう)」の副層構造の中に、血管、神経、毛根、汗腺が含まれています。 真皮に含まれる器官や成分は、大切な役割を果たしています。 乳頭層にある血管ループは、表皮に栄養素と酸素を運ぶ重要なルートです。 網状層に多く見られるコラーゲンは、真皮の構造を作る主要タンパク質の一つで、皮膚に耐久性を与えます。 また、真皮のもう一つの構造タンパク質であるエラスチンは、皮膚に弾力性を与えるという働きがあります。
皮下組織
表皮および真皮を支える皮下脂肪は、主に、ゆるい結合組織および脂肪細胞から成り、真皮に見られる血管より、大きな血管および神経を含んでいます。 皮下組織は、外部からの衝撃を和らげるクッションの役割や、エネルギーを蓄える役割を担っています。